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<前編>Corsair電源にスリーブケーブルを導入せよ!自分のPCをドレスアップ!
スリーブケーブルと違って手を入れやすいPCの改造がファンの追加だ。しかし、この冷却用のファンの世界も、思ったよりも奥深いものがある。ファンの追加はPCの冷却能力を向上させるのと同時に、静音性を損なうと考えがちだが、実はこれが違ったりする。ファンの性質を見きわめて、適切な位置に配置し、ファンの調整を行なってあげれば、冷却能力がアップするだけでなく静音性を高めることもできるのだ。ここでは、ファンの追加やその効果について説明していこう。

サイズだけじゃない。いろいろあった、ファンの種類

 配線の次はファンの追加の話になるわけだが、上にあるようにファンの世界もなかなか奥深いものがある。一般的な目から見れば、12cm角ファンと言うくらいだから、ファンの種類なんて大きさくらいしかないととらえがちだ。しかし、ファンの違いはサイズだけでなく、回転速度も違えば、ファンの速度の調整機能があるものもある。ドレスアップパーツの一つとしてさまざまな色に光るLEDや、回転するハネの部分に文字が浮かび上がる製品まであるのだ。そして、Corsairから登場したのが、冷却に使うのか、それともケース内のエアフローを調整するために使うかという選択のできる2種類のファンだ。
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CORSAIRケースファンで冷却・デザインを極めろ!!

風量重視?静圧重視? 2タイプあったファンの適正

 それでは、Corsairから発売されているファンのラインナップを紹介しておこう。日本国内では以下の五つが発表されている。


AF120 QUIET EDITION(CO-9050001-WW)
静音重視の風量タイプの12cm角ファン。
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AF120 HIGH PERFORMANCE(CO-9050003-WW)
回転速度重視の風量タイプの12cm角ファン。
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SP120 QUIET EDITION(CO-9050005-WW)
静音重視の静圧タイプの12cm角ファン。
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SP120 HIGH PERFORMANCE(CO-9050007-WW)
回転速度重視の静圧タイプの12cm角ファン。
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AF140 QUIET EDITION(CO-9050009-WW)
静音重視の風量タイプの14cm角ファン。
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各製品のスペック比較表

 製品は大別するとエアフロー調整用のAFシリーズと冷却用のSPシリーズの2種類があり、それぞれにファンの回転数が高いPERFORMANCE EDITIONと静音性の高いQUIET EDITIONが用意されている。また、基本ラインナップは12cmだが、AFシリーズのQUIET EDITIONには14cmのものも用意されており、全部で5製品だ。

 AFシリーズはエアフロー調整、SPシリーズは冷却と書いたが、ファンの世界ではそれぞれ、風量重視タイプと静圧重視タイプと言われている。風量重視タイプは、空気の流れを作るのに適していると言われており、静圧重視タイプは、抵抗のある部分に風を送り込むのに適している。
 この二つの製品ではファン、ハネの数や幅、形状などが違う。写真で見比べれば一目瞭然だが、AFシリーズはハネの数が9枚、SPシリーズでは7枚。ハネの取り付け角度も違うため、SPシリーズではあまり見えないファンの向こう側も、ハネの数が多いはずのAFシリーズでは、見えやすくなっている。このハネの数と作りで違いを作り出しているようだ。

 さて、話を戻して空気の流れを作りたい場所というのは、たとえばHDDケージなど、空気の流れが停滞しがちな部分に取り付けたりするには風量重視タイプのほうが向いている。抵抗のある部分とは、CPUクーラーのフィンの部分などのこと。こちらは静圧重視のほうが適している。また、ケースの外装の内側に取り付けるファンとして使う場合は、それぞれ向き不向きがあるため、それほど大きな違いは意識しなくてよいだろう。イメージを言葉でお伝えするなら、風量重視タイプは軽い風で遠くまで届く。静圧重視タイプは抵抗に負けない重い風であまり遠くまで届かない。と言うところだろうか。

 このため、ケースの中に空気を吸入したり、排出したりするケースフロントやバック、トップ、ボトム、サイドなどに取り付けるファンの種類は、ケースの穴や、ホコリよけのフィルタなど、抵抗がかかる部分があるため、一見静圧重視タイプのほうが適切に思える。しかし、それだと遠くまで風が届かないため、エアフローの調整が効きにくい。また、逆に風量重視タイプでは、抵抗に対して比較的弱い傾向にあるため、空気の流入量が多くならないと考えられる。ケースファンとして使う場合には、ケースが大きい場合には風量重視で、ケースが小さい場合には静圧重視でといった考え方もあるが、適正に関しては、どちらでも向き不向きの関係で大きくは変わらない部分があるため、先ほど「それほど大きな違いは意識しなくてよい」と書いたわけだ。

AF120とSP120の違い
左がAF120 HIGH PERFORMANCE、右がSP120 QUIET EDITION。明らかにハネの形状が違う。

実用とデザインを両立。かっこよい上に高性能

 次に、このファンの特徴を見て行こう。まず目に付くのがファンのまわりに縁取るように配置されているリングだ。すべての製品に白、赤、青のカラーリングが付属しており、このリングを交換することで、ファンを華やかにドレスアップできるのが、このファンの特徴となっている。
 リングのツメがフレームのネジ穴部分に隠れているだけなので、交換はツールレスの簡単仕様。リングのツメの部分を少し内側にひねってあげれば簡単に外れる。取り付け時にも四方のツメをひねってはめ込めばよいだけだ。

 最近のマザーボードは昔の緑一辺倒というわけではなく、濃い茶色や黒のものが増えてきた。また赤や青といった製品も多い。マザーボードの色と同系色にするというのもよいだろう。しかし黒いケースに映える白と言うのも捨て難い。3色と少ないながらも適切でいて迷いを持たせる憎いカラーラインナップだ。

 また、ハネの構造だけでなくフレームの構造も、性能の向上に一役買っている。第3者機関のLongWin社の協力で開発されたフレームは直進性能の高いエアフローを作り出すと言う。これは、風の指向性が拡散せず、エアフローの調整が思いどおりに行ないやすいということだ。
 フランジ部分はリブなしで、取り付け用のタッピングビスが付属している。またネジ穴部分はラバーマウントが採用されているため、ケースとの共振やファンそのものの振動を軽減してくれる役割を持っている。ノイズ対策もバッチリだ。軸受け部分もハイドロリックベアリング(いわゆる流体軸受け)が採用されており、振動対策と同時に摩擦抵抗を減らして消費電力軽減にも貢献している。

 4ピンペリフェラルから変換コネクタを利用してファンを利用する場合などに、通常回転数の調整ができないが、回転数を押さえる電圧変換コネクタも付属している。任意で回転速度を使い分けることができるのもうれしいところだ。

同梱品
ファンのセット内容。どのファンもカラーリングが3本、タッピングビスが4本、回転数制御用の電圧変換コネクタが付属する。


組んだPCにファンを組み込む

 それでは前編で組んだPCにファンを組み込んで冷却能力の向上とドレスアップを行なっていこう。

 まず、増設するファンの取り付け位置を考えていく。Obsidian 550Dにはもともとフロントに二つ、リアに一つのケースファンが取り付け済み。このPCを組むにあたり簡易水冷クーラーのHydro H100iを利用したため、ケースのトップにラジエータ、さらにその下に12cm角ファンが二つ装着済みだ。すでに合計五つのファンが付いていることになる。

 新たに用意したファンはAF120 HIGH PERFORMANCEを六つとSP120 QUIET EDITION二つの計八つ。既存のファンの交換も考え13基のファンをやりくりしながら組み込む予定だ。
 しかし、そんなにファンを増やしてうるさくならない?と思う読者もいるはずだ。だが、ファンの数が多いからと言って、必ずしもうるさくなるというわけでもない。

 ファンは大きければ大きいほど風量を増やせる。このため、設置が許されるなら大きなファンで回転数を下げて騒音を小さくするのがセオリーだ。数に関してもそれと同じことが言える。ファンの数を増やしてエアフローをうまく作り出してあげれば、ファンの回転数をさらに小さくして運用することができる。そうすればファンの数が多くても騒音を抑えることができる……というわけだ。なので、増設するファンには同梱されている電圧変換コネクタを接続して使用する。これを付ければ、回転速度を仕様の半分くらいまで下げて騒音を抑えることができるからだ。また、爆音でも構わないからとにかく冷やしたい!と言う人なら、電圧変換コネクタを使わずに接続してしまえばよい。ゲームプレイ時にはヘッドセットを使っている人にお勧めだ。

 では、実際に取り付け位置を考えて行こう。既存のファンの交換も前提で考えるため、ケースにある12cm角ファンの取り付け可能な位置をすべてピックアップしてみる。

フロント:2基
リア:1基
トップ:2基
サイド:2基
ボトム:1基

 上記のように通常なら計8基のファンが取り付け可能だ。そんなわけで、ちょっと策をろうし、さらに2基追加して合計10個のファンを以下の場所のように取り付けることにした。

フロント:AF120 HIGH PERFORMANCE×2に換装
リア:AF120 HIGH PERFORMANCE×1に換装
トップ:をケース上部にH100iの付属ファンを移動、その下にラジエータ、さらに下にSP120 QUIET EDITION×2を追加
サイド:AF120 HIGH PERFORMANCE×2
ボトム:AF120 HIGH PERFORMANCE×1

 策というのはトップにあたる部分に取り付けるH100iのラジエータ部分にファンを四つ取り付けることだ。現在Corsairのケースのラインナップでは、四つのファンでラジエータをサンドイッチし、そのままケース内に収めるだけの余裕がある製品は、近々国内での発売を控えているハイエンドPCケースのObsidian 900Dしかない。そこで、ラジエータ下部にファンを二つつけた状態のH100iをPCケース内部に入れ、トップのファン設置位置の外側に二つのファンを取り付けラジエータを挟み込むことにした。当然、ファンがむき出しになって危ないので、グリルガードを取り付ける。ファンのケーブルはケースのフタを締めて挟んでしまっても、大丈夫なことは確認した。気になる人は延長コードを利用して水冷用の穴を通しPC内部に持ち込む。

 ここで賢明な読者なら、マザーボードのファンのコネクタが足りないんじゃ……となるはずだ。4ピンペリフェラルから変換コネクタを介したり、二股ケーブルなどを使ったりしてコネクタを増やす方法はあるが、これではどうも野暮ったい。そこで登場するのが秘密兵器のCorsair Linkだ。このCorsair Linkは五つのファンを接続できるユニットが付いており、これでファンのコネクタを増やそうというわけだ。ファンの数を増やして回転数を下げることで、冷却力を高めつつ静音性を確保するわけだ。

Corsair Link
Corsair LinkはPCの統合管理ソフトウェア。温度を監視したりファンのコントロールをしたり、LEDの付いたリボンの動作を制御したりする機能を持っている。今回は温度監視機能とファンコントロール用のパーツを利用する。

 では、ファンを取り付けたPCの姿をご覧いただきたい!

強化&ドレスアップされたゲームPC!
冷却能力を向上させドレスアップも完ぺき!カラーリングは黒いケースに映える白に統一してみた。

チャームポイント!?
本機のチャームポイントとも言うべき、ケース上部に飛び出したファン。回転数を押さえることで非常に静か。下に配置したSP120 QUIET EDITIONもよい采配だったようだ。

天板部と背面
天板部にはラジエータとファンを二つ搭載した。この上部にももう二つ、H100iに付属していたファンを装備している。

フロントの吸気ファン
フロントのHDDケージ部分にあった、ケース付属のファンを二つとも換装している。このケースはフロントパネル部分にフタがあるため、騒音が気にならないのがよい。

底面部
PCケース内部の底面には吸気セッティングでファンを搭載。前と下から空気を吸って、背面と上部から吸気をするというエアフローを考えてみた。

サイドパネル裏面
サイドパネルにも吸気セッティングで二つのファンを装備。CPUとビデオカードにPC内部の温かい空気でなく、外部から取り込んだ室温の空気を届けられる。


 すべてのカラーリングを白に統一し、ドレスアップしたゲーム用PC。冷却能力も高い上に静音性が高いというバランスのよさも兼ね備えた自作PCが完成した。

 さて、実際の運用時の効果のほどはと言うと、ケース内温度が大きく下がった。具体的にはファンの交換や追加を行なう前にはマザーボードのセンサーが示す温度がアイドル時には31度、ゲーム(バトルフィールド3)プレイ時には39度だったが、それぞれ、26度、34度まで下がった。室温が23度であったことを考えると、アイドル時の温度は、非常に優れているし、高負荷時にも効果が見られるようだ。

 また、回転制御が効くH100iのファンは温度上昇とともに回転数を上げるように設定して、騒音値も計測した。測定条件はケース前面10cm、床上20cmで、スマートホンのレベルメーターのアプリを使用して測っている。結果はファン追加前のアイドル時30dB、高負荷時36dBがアイドル時34dB、高負荷時でも34dBとなった。アイドル時と高負荷時が変わらないのは、回転制御がかかっているパーツもあるが、回転制御のかかっていないファンのほうが圧倒的に多いため、ケース内温度が変わっても騒音はほとんど変わらなかったということだろう。アイドル時の騒音は少し大きくなってしまったが、高負荷時の騒音は交換前よりも少ないくらいだ。ゲームなどをプレイしていてもPCの音が気にならずに楽しむことができるというのが印象的であった。

ドレスアップのススメ

 後編ではファンを増設して冷却性能の向上やノイズの低減、ドレスアップまでができることを紹介してきたが、どうだっただろうか。前編にあたる1本目の原稿ではケーブルを目立たなくするため、Blackのスリーブケーブルを選択したが、これでこのリングの色が引き立つというもの。狙いどおりである。

 ドレスアップしながらも性能向上を図れる。多少の投資は必要だが、冷却能力が向上することによってPC個々のパーツの寿命も延びることになる。とくにビデオカードやマザーボードは熱によりどんどん寿命が減っていくのが現実だ。ケース内の温度は低ければ低いほどよい。
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